抹消の継承者編9

『Règlement de la fessée』


少年は振り返る。過去の記憶と軌跡を
何故だか不思議だったのは他人が謝罪する姿を見た時疑惑が浮かぶ。″何故?″
態度が気に食わなかっただけで怒鳴り散らす。″何がいけなかった?″と
やがて疑問を自身に問い掛けるが答えは曖昧だった
閉鎖した心の奥が開いたのは9歳の頃
よく懐いていた動物が毎日のように同じ時間に来なかった。何となく気になり周囲を散歩すると悪戯好きの集団が騒いでいた。自分よりも5歳は離れているだろうか?外見は長身で成人といっても過言は無いだろう。よくみれば度を超していた
返り血が着いている。酷い。悪ふざけ?違う。これは逸した何かだ……あまりに可哀想だ。死骸に
感情は閉じたままだが暗黒の激情が精神を支配した

少年の根底を呼び覚ます序幕

詰め寄った。笑顔で優しく声をかけた。
″もっと面白い物がある″
集団は話を聞く事にした。案内する。興味を示すような下品な会話を付け足しながら
それは無人の場所。少年が一人で遊ぶ
″科学研究所″
switchを持たせた。分かり易く人体に支障が出る起爆源だと。楽しそうに話す
″押してくれたら愛犬で遊んでいい″
と嘘をついた
押した瞬間、少年以外の集団は感電し倒れる。よくみれば少年の立つ場所は只の床だが集団の足下は導線だった。少年は語る
″痛みは分かち合う事だ″
痙攣する集団全員の口に錠剤を入れる
″大丈夫。どんな苦痛も無くなる″
被害者は何をその時思ったのだろうか?答えは返って来ない。少年は嘲笑した。手を休めなかった。疲れたら炭酸水を飲む。飽きたら失敗作にした。次に変更するだけ
少年の心は瞳に宿り輝きは無くなる
果てしない闇が広がり何事も寄せ付けない
ただ一つを除けば

「さて、何処から遊んでやろっかなぁ~。あはっ」



「何年ぶり?こうして顔合わせるの?」
星が綺麗で情景が目に映れば広大な森林。高い場所は好きでは無いが自分を知る人物が隣にいてましてや可愛がっていたからだろう。今日は格別
「【断裂】以来だね。あれから八年も経っていたからさ」
童顔な顔をいぢくり回しからかう。お互いくだけた会話が始まれば望郷と回想
暫く笑いもあった
「よくここが分かったわね?どうして?」
「散らばったメンバーを探してさ。別の安全な場所で研究所を開いたんだ!一緒に行こうよ!!自力で何とか調べてようやく。身元も保障するから」
それはあまりに意外な言葉で……突然過ぎた
「ここは監視されてるのよ?」
「大丈夫!systemは完全に乗っ取ったからさ!!」
「……不健康な暮らししてもいいなら……連れてって!プレマテリア」
颯爽と駆けだした。振り返らずに

「今何人くらい?」「8人だよ!まだ、不明なのは二人だね。EnderとLi-Parkかな?」
「SchrataやReasonは?」
「そこは……きっと来ないかな?」
気分が上昇し早走になる
「朝桐が懐かしいわね」
「皆そういうよ。たださ」
「ただ?」「一年前くらいかな?朝桐に似た人に会ったんだ!助けてもらったんだよ!!」
「詳しく教えなさいよ!素質あるんだから【らしい】格好してみなさい」
やがて標高が低くなればジェット機が停車していて駆け足で入った



「……こ、こんなもん……かよ。クソ共がぁ」
息を切らし疲労がのし掛かるが無傷。神経を研ぎ澄まし最速で敵を打倒する戦法を選んだ為である
「!!?」後ずさる。やがて睡魔が襲った
!!!!銃弾は打倒した敵の頬をかすめた。視界がままならない
「クソがぁ」
よろめきながら立ち去る。卒倒しそうな勢いを必死で止めながら
現場を後にした



現場に到着すれば不吉の象徴が辺りを炎で物語る。停車し身構えながら後方を確認するDAZZINGと撃鉄を取り出し警戒を怠らないSick
緊張が張り詰める
指先を動かし合図するSick
″互いに正面は絶対に僅かでも逃すんじゃねぇ″
中指と薬指を伸ばした後交差させ返答
″背後は互いに向けたままでな″
やがて警戒し瞳孔を拡大し凝視しながら限りあるだけ研ぎ澄ます
やがて燃えさかる周囲を除き何も無い事を確認した
「派手だなクソが。これじゃあサッパリじゃねぇか」
険相し舌打ちする
「何も無いわね。これじゃあ無駄足?」
「……どうすっかな?」
DAZZINGは視線を後方に移すと突如抜き足で歩き出した
Sickは撃鉄を収める。何となく炎上した建物が一瞬何かで光った気がした。目を細め近付いても手を伸ばす距離よりも高い為正体は不明。
″何かと見間違えた″
と思い、後方に振り向く
僅かに音がしたからだ 

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