ANIVARS-ROAD3
『Segreto Del Ricercatore』
笑顔で手を差し伸べたLectat。少年は芝生を手で払い言葉を告げる
「マズいよ!ここから離れないと!」
両手を出し淡々と語る
「落ち着いて。発信器が君が倒れている時に恐らく取れたと思うけど車内に入れたから大丈夫だよ。説明してくれるかな?」「発信器?マジな話しか?」
首を傾げ警戒するSick。立ち上がる少年は遙か先の上空を見上げる。瞳孔が拡大し動き出す
「先の岩の後ろに行こう!早く!!」
少年は慌てて走り出した。一瞬躓くが前足を踏み込み力を込めた為倒れ込まずそのまま走り岩影に隠れる
「早く!二人共!!」
顔を合わせ互いに走り出し岩に身を寄せる。上空を見上げ恐れながら警戒する少年「おい、一体何が来やがる?何だってんだ一体?」
「教えてくれないかな?何に畏れてるんだい?」「来る!伏せて!」
標高の高い場所にいる事で視界は広く見渡せた。すると遙か上空から音がする。飛行するEngine音に酷似した騒音が近付いて来ている。実際正解だった…Sickは眉を潜めLectatは凝視し少年は頬から汗を垂らした「戦闘機だぁ!?おい、ガキ。何であん」直後戦闘機が飛行中機械音を響かせた。突如の出現に唖然する
「み、みさい」その時轟音がする。標的を定め発射された!
遙か先で粉塵が上昇し飛散
破壊力は絶句!!!
爆発音が響き咄嗟に身を乗り出す。対象は少年は確定していた。戦闘機は去り遙か上空を飛び立った
Sickは少年に話し掛ける。思わず動揺し感情的になった<
「一体どうなれば此処までの事が起きやがる!?何しやがったガキぃ!」
「うぅ。こんな事態になるなんて~。間違いなのに~」
「落ち着くんだSick。どうしたんだい?まずは話してくれるかな?名前から此処までの経緯を」
三度吹いた季節の変わり目を連想する風は硝煙も運んだ
戦闘機の去る方向に目をやるSickと少年の前に立つLectat
「そうだね。まずは…ありがとう。歩きながら話そう」
跡形も無くグズグズになった残骸は未だ微かに炎が残り煙が吹き上がっていた
横目で確認する三人は歩く速度を変え進み出した
先頭は少年が歩き後ろに続くSickとLectat
遙か先に街道に切り替わる標識が見えた。長く歩いたせいか空腹を満たしたい程空きっ腹な二人
「まずは自己紹介だね」
指先を立て語り出す少年
「僕の名前はプレマテリア。生物化学の研究所出身で今は政府請負の組織に属していた。最近までは」
ー最近は違くなったのかー
ー確執からの逃避か嫌気からの裏切りかかな?ー
「実は最近ある計画の見直しに数年前の同僚と対面したんだ。懐かしくて良く休憩中話しててさ。色んな出来事をお互い交換し合った。研究成果って学者の発展と発想の転換が説破詫間の糸口になるからね。好適だし利益だし重要なんだ」
ー互いで競い合って高めるのかー
ー俺とSickみたいな感じなのかな?ー
「話しに夢中になっててさ。僕の研究noteが盗られちゃったみたいなんだ。それで疑問があったんだ…僕自身noteの中身に大した事記載してない筈なのに何故だかその後から急に狙われる事となって」
手提げ鞄を叩き落胆が伺える背中を見せるが二人は見逃した
Sickは立ち止まり凝視した。如何なる事も受け付かずに魅了される
LectatはSickの視線に目を配れば納得する笑みを見せる。頷き同じ方向に目を奪われた一人で歩き出したプレマテリアは足が止まる。説明中でも足跡が聞こえなくなった為振り返る
「君ら…もしかして」
二人の表情をプレマテリアは納得した
視線の先にある飲食店
「とりあえず食いながら話すのに意義はあるか?」
「今のこの状態ならば首を横に振るだろう。例えるなら断食したフードファイターがスタッフに格下げしたような哀れな存在のようだね。フッ」
「なんかよ。その例えがスゲームカつくんだけどよ」
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